国会で着手されるアジア大会兵役特例廃止の議論
アジア大会兵役特例をめぐる論争が立法の争点に
アジア大会のメダルによって兵役の恩恵を受ける制度の廃止要求が、国会を舞台に本格化した。国民の力の鄭点植院内代表は7日、最近のアジア大会を契機に浮上した芸術・スポーツ分野の兵役特例制度に関して問題点を指摘し、制度の見直しに乗り出した。同じ党の安哲秀議員もこの問題に直接言及し、李在明大統領に対し施行令の改定を促した。連合ニュースの報道によると、安議員は「兵役特例の廃止は今回から行うべきだ」とし、行政的な対応が可能な部分から速やかに進めるよう求めた。
兵役特例とは、アジア大会の金メダリストやオリンピックの入賞者に兵役義務を免除する制度である。芸術分野でも国際コンクールの受賞者などに同様の恩恵が適用される。制度の趣旨は、国家の地位を高めた人材に恩恵を還元することだが、国際大会が開催されるたびに、特定種目の恩恵範囲や公平性をめぐる論争が繰り返されてきた。今回もメダル種目への偏りや恩恵の実効性について批判が提起され、結局は政界に飛び火する形となった。
法案の核心的内容とアプローチ
廃止の議論は二つの方向で進められている。一つは国会で法律を改正する方法であり、もう一つは大統領令である兵役法施行令を改定する方法である。安哲秀議員が李大統領に直接施行令の改定を求めたのは後者にあたる。施行令の改定は国会の採決なしに行政府が推進できるため、スピードが速いという利点がある。一方、法律改正は制度の根幹を変えるものであるだけに議論は重くなるが、正当性と安定性の面で優れている。
適用対象となるのは、芸術・スポーツ分野の兵役特例全般である。スポーツ分野では国際大会での入賞成績が基準となり、芸術分野では主要コンクールの受賞歴が基準となる。廃止が実現すれば、今後は国際大会で入賞しても兵役免除を期待することは難しくなる。すでに恩恵を受けた者への遡及適用の可否も争点になりうる。憲法上の信頼保護の原則により、既得権を認めるのが一般的だというのが法曹界の多数意見である。
賛否論争の構図
廃止側の論理は、公平性に重点が置かれている。兵役義務はすべての男性に課される国民の基本的義務であり、特定分野の成績だけで免除するのは公平に反するという指摘である。アジア大会の場合、種目ごとの競争水準の差が大きい。ある種目は金メダル獲得の難易度が低く、事実上の兵役免除を狙った短期集中訓練が行われているという批判は以前から存在した。国民の力の指導部が相次いで廃止に乗り出したのも、こうした世論を反映したものと解される。
維持側の論理も決して弱くない。芸術・スポーツ人材の国家代表としての活動は、それ自体が公益に寄与するというのだ。長期の軍務は選手や芸術家の全盛期を丸ごと失わせかねず、恩恵を廃止すれば優秀な人材の流出や競技力の低下につながりうるという懸念もある。スポーツ界と芸術界の一部では、制度廃止よりも基準の厳格化と透明な審査による補完が必要だという中間的立場が示されている。まだ与野党間の交渉のテーブルには上っていないが、野党が廃止に慎重な見方を示しているため、国政監査と予算審議の場で立場の違いが露呈する見通しだ。
立法日程と波及効果の展望
手続き的には、施行令の改定が先行する可能性が高い。鄭院内代表が国政監査や特別検察とともにこの問題に言及しただけに、国民の力は定期国会での処理を目標に圧力を強めるとみられる。法律改正は兵役法と軍人事法の関連条項の見直しが必要なため、所管の常任委員会である国防委員会の審査から始めなければならない。与野党の合意が得られなければ定期国会での処理は困難となり、来年に持ち越される可能性も開かれている。
影響は業界全般に及ぶ。廃止が確定すれば、アジア大会に出場する選手たちの目標設定そのものが変わる可能性がある。プロチームや所属事務所の立場でも、兵役問題を抱える主力級選手の管理戦略を再構築する必要がある。ただし、制度が廃止されても国家代表としての活動に伴う代替服役などの緩衝装置の設計が併せて議論される可能性があり、最終的な形が「全面廃止」なのか「部分改編」なのかが最大の注目点となる見通しだ。
兵役は国防の義務であり、最も敏感な公平性の問題である。特恵的な制度に対する国民的合意が崩れた以上、今回の定期国会で手をつけられなければ、論争は次の国際大会まで続かざるを得ない。
