性的犯罪通報を巡る実母の毒婦的犯行に懲役30年が確定
7年前の今日、2019年10月11日、全羅南道務安で中学生の継娘を殺害し、遺体を貯水池に遺棄した継父と実母に対し、それぞれ懲役30年が言い渡された。
事件は2か月前の2019年4月初めにさかのぼる。当時12歳だったAさんは、継父の金某(当時31歳)からわいせつ行為と性的暴行未遂を受けたことを実父に伝え、実父が警察に通報したため、Aさんは光州の家を出て木浦の実父の家に移り住んだ。しかし、通報の事実を知った実母の兪某(当時39歳)は、娘を保護するどころか元夫に「どうして私の夫にこんな仕打ちをするのか。娘の教育をしっかりしろ」と告訴取り下げを求め、Aさんに対しても非難するメッセージを送った。
2人はAさんを殺害することを決意した。犯行前の約2週間、全国を回って布テープや俵袋などの犯行道具を準備し、遺体を遺棄する場所まで探し出していた。兪某は4月25日に睡眠薬を処方され、2日後の27日に公衆電話で木浦のAさんを呼び出し、睡眠薬を入れた飲み物を渡した。この車には、2人の間に生まれた生後13か月の息子も同乗していた。金某は車を全羅南道務安のある農道に乗り入れ、そこでAさんの首を絞めて殺害し、兪某も現場に同行していた。金某は27日夜、遺体を光州東区のナリッジャトンネル付近の貯水池に遺棄し、遺体は翌日午前に発見された。
警察が通報の事実を確認する過程で兪某に連絡したことで、金某が性犯罪者として通報された事実が加害者側に知られることとなった。その後、警察の対応がAさんに対する保護の空白につながったという批判が提起され、国家人権委員会も警察の措置がAさんの安全を十分に保護できなかったと判断した。
金某は警察に出頭したが、当初は自分一人で犯行を行ったと主張した。捜査の過程で2人は互いに責任をなすりつけた。金某は妻の兪某がAさんの殺害を唆したと主張し、兪某は金某が車内でAさんの首を絞める時になって初めて殺害計画を知ったが、止められなかったと反論した。しかし捜査が進むにつれ、兪某が犯行前から睡眠薬を準備し、Aさんを自ら呼び出すなど、犯行に深く関与していた状況が明らかになった。
この事件は、性的犯罪被害児童を保護すべき大人と制度が、かえって被害につながった事件として記録された。2019年10月11日の1審法廷は2人にそれぞれ懲役30年を言い渡し、「誰よりも保護すべき満12歳の娘を納得のいかない理由で緻密に殺害しており、罪質が極めて不良だ」と判示した。裁判所は金某について「事件の根本的な原因を作っておきながら、娘のほうにより大きな過ちがあるかのように兪某を信じ込ませた」とし、兪某については「実母でありながら具体的な殺害の指示を行ったとみられるなど、厳しい処罰は避けられない」と指摘した。
2審でも結論は同じだった。2020年5月19日、光州高裁刑事2部は2人にそれぞれ懲役30年を言い渡した。最高裁は2020年8月20日、上告を棄却し、懲役30年が確定した。
