現代自動車、2028年に米国でロボット組立工場を開設
現代自動車グループは2028年から米ジョージア州の組立工場(メタプラント・アメリカ)に人間のように動くヒューマノイドロボット「アトラス」を段階的に投入し、2030年までに部品組立工程などへの適用範囲を拡大、年間3万台規模のロボット生産体制の構築に乗り出す。鄭義宣(チョン・ウィソン)会長は就任6年で、完成車製造中心の事業をAI・ロボット基盤に転換する「フィジカルAI企業」への変革に加速をつけている。
鄭義宣現代自動車グループ会長は今年7月、米サンフランシスコで開催されたAIサミットにおいて、グループのフィジカルAIビジョンを自ら提示した。自動車やロボットなど個別機器の知能化を起点に、AIファクトリーのような生産空間の知能化へと進み、さらに都市インフラが有機的に連携する統合知能化を実現するという構想だ。
こうした変化の中心には、2021年に株式80%を取得した米ロボット専門企業ボストン・ダイナミクスがある。鄭義宣会長は2020年10月の就任後、ロボティクスを未来事業の中核軸に据えて投資を拡大してきたほか、グループは今年、ソフトバンクが保有する残り株式の買収も推進している。ボストン・ダイナミクスはグループのAIロボティクス事業を牽引する中核子会社となっている。
投入前の検証作業も進められている。グループはジョージア州にロボティクス・メタプラント応用センター(RMAC)を設置し、実際の工場に近い環境で部品の配列作業や資材の搬送を繰り返し実施することで、アトラスの作業精度と安全性を高めている。現代自動車グループのロボット事業の強みは大規模な製造基盤にある。現代自動車と起亜のグローバル生産施設は、ロボット技術を実証する場であると同時に、初期の需要先としての役割も果たす。
グローバル大手テック企業との協業も強化される。グループはエヌビディアとのAI演算インフラおよびデジタルツイン技術の協力を拡大し、実際の工場を仮想空間上に再現して生産工程を検証し、ロボットの学習効率を高める。ボストン・ダイナミクスはグーグル傘下のディープマインドと、次世代ヒューマノイドロボット向けAIモデルの開発で協力している。
現代モービスはロボット駆動部品の開発に、現代グロービスは物流運営のノウハウに、現代オートエバーはソフトウェア技術に、それぞれ貢献し、開発から部品供給、量産、運営までをグループ内で一貫してつなぐ体制を整えつつある。
