公共データのAI学習用義務提供法案が通過
国民の税金で構築された公共データについて、人工知能(AI)開発者が請求すれば義務として提供を受けるようにする法案が、国务会議を通過した。
政府は人工知能基本法改正案とデータ産業法改正案をあわせて議決した。人工知能基本法改正案は、今年3月末に発議されてからわずか6カ月余りで国务会議を通過したことになる。両改正案は今後、大統領公布の手続きのみを残すのみとなっている。改正案が公布されれば、公共機関が保有するデータの活用の敷居が大きく下がる見通しだ。
なぜ今、AIデータ法案なのか
AI技術競争が激化する中、学習データの確保が国家競争力の核心として浮上している。AIは膨大なデータを学習してこそ性能が向上するが、質の高いデータを確保するためのコストと時間が企業にとって大きな負担となっていた。特に韓国は言語データが英語圏に比べて相対的に不足しており、国内AI開発が遅れているとの指摘が続けられてきた。
これまで政府や公共機関が税金で構築した公共データは存在していたものの、個人情報保護や各機関の事情により、実際の産業現場で活用されるケースは限定的だった。データがあってもアクセスしにくいという問題意識が、今回の立法の背景にある。データ産業法改正案とともに推進されたのも、データの生産から流通までの全過程を制度化しようとする趣旨とみられる。
核心内容と適用対象
改正案の骨子は、公共機関が保有・管理するデータについて、AI学習目的で請求された場合には原則として提供する義務を明記するものである。AI開発に活用できるよう精製された形態のデータの提供方式や手続きも盛り込まれたと伝えられる。個人情報処理の義務などの安全装置はそのまま維持され、提供を拒否できる事由は法律で限定される。
適用対象は、AI開発に公共データを活用しようとする企業と研究機関である。中小企業やスタートアップのデータ収集能力が相対的に不足していることを考慮すると、実質的な受益者は資金力に乏しい開発者集団となる可能性が高い。一方、データを保有する公共機関には、提供体制を整備しなければならないという行政負担が新たに生じる。
産業への影響と懸念
肯定的な見通しが優勢だ。税金で作られたデータが放置されず産業競争力につながるという点で、財政効率性の面での意義も大きい。国産大規模言語モデル開発に必要な韓国語データの確保が容易になれば、海外ビッグテックに依存する構造を一部緩和する効果も期待される。
ただし懸念もある。公共データの提供が義務化されても、品質が低かったり形式がまちまちだったりすれば、実効性が落ちる可能性がある。公共機関の立場では、提供拒否事由が狭まった分、紛争の火種が増えるという指摘もある。データの標準化と安全な仮名処理技術が伴わなければ、法の趣旨が生かせないというのが専門家たちの総意だ。
今後の日程と展望
両改正案は大統領の公布後、一定の猶予期間を置いて施行される予定だ。公布後の施行令と告示の制定過程で、データ提供の手続きと拒否事由の具体的な範囲が確定される。下位法令が実効性を左右するだけに、業界は施行令の立案過程を注視するとみられる。
公共データの門を開くと同時に、個人情報保護基準をいかに維持するかが今後の焦点となる。提供義務だけを強化し、仮名処理などの安全装置が不十分であれば、情報主体の不安が高まる可能性があるためだ。法施行初期に公共機関と企業の協同事例がどれだけ積み重なるかによって、韓国AI産業のデータ基盤が変わると展望される。
