ゼレンスキー氏、トランプ氏の停戦論に「初めて聞く話」と反論
ドナルド・トランプ米大統領は11日、ロシアとウクライナが互いのエネルギー施設(発電所・油田など)への攻撃を中止する「エネルギー停戦」に合意したと発表したが、ウォロディミル・ゼレンスキー・ウクライナ大統領は「初めて聞く話だ」と反論した。ゼレンスキー氏は米メディアのインタビューで「ロシアがエネルギー停戦に同意するなら、ウクライナも同意する」と述べたものの、停戦が成立したとは述べなかった。ウクライナ側によると、ロシアはトランプ氏の発表後もウクライナ第2の都市ハルキウの熱併合発電所を攻撃するなど、エネルギー施設への攻撃を続けた。
トランプ氏はこれまで、軽油価格の上昇はウクライナによるロシア製油施設攻撃のせいだと主張し、ゼレンスキー氏に攻撃中止を何度も要求してきた。こうした中、トランプ政権の当局者が攻撃を止めない場合、米製武器の供給と情報提供を遮断すると警告したと、英紙フィナンシャル・タイムズが11日報じた。
軽油輸入合意の発表は9日に行われた。トランプ氏はこの日、ロシア産軽油を米国と世界市場に大規模に供給することで合意したと明らかにした。
共和・民主両党の上院議員6人は声明を発表し、「ロシアがウクライナの民間人を殺害し続ける状況で、米国がプーチン氏に財政的な生命綱を与えてはならない」と述べた。声明には共和党のスーザン・コリンズ、リサ・マーカウスキー、トム・ティリス、ジョン・カーティス各議員が名を連ねた。彼らは「大統領の決定は、侵略が中止されるまでロシア産石油の輸入を禁止する法律に正面から抵触するものだ」と批判した。議会は2022年、ロシアの戦争資金調達を阻止するため、ロシア産エネルギーの輸入を禁止した経緯がある。
反発が続く中、トランプ陣営も防御に乗り出した。スコット・ベッセント財務長官は「我々が持つあらゆる法的権限を動員し、今回の合意を履行する」「米国民にとって良いことであり、軽油価格を下げるだろう」と述べた。ジョン・バラッソ共和党上院議員も、トランプ氏がエネルギーコストの引き下げに力を注いでいると擁護した。
しかし、こうした対立が続く間、戦争の状況は改善どころかむしろ悪化しているという指摘が出ている。
