民主党、支持率反発の突破口として提起した曺喜大弾劾カード
民主党は、曺喜大(チョ・ヒデ)大法院長(最高裁判所長官)の弾劾論議を正式化し、支持率反発の突破口として位置づけた。
共に民主党の金民錫(キム・ミンソク)代表は、先ごろ曺大法院長の弾劾推進を公式に宣言した。これは、党と政府の双方が支持率の低迷から抜け出せない状況の中で打ち出されたカードだ。金智容(キム・ジヨン)初代重大犯罪捜査本部長人事をめぐり強硬派が李在明(イ・ジェミョン)大統領と公然と対立するなど与党内紛が重なり、強固な支持層の結集が急務となっている局面だという見方が出ている。
なぜ今、弾劾カードなのか
背景には相次ぐ逆風がある。新天地関連の問題と金重大犯罪捜査本部長任命をめぐる対立が与党内部を揺るがした。与党関係者は支持率低下の解決策として、曺大法院長の弾劾と「操作起訴」特別検察官法(特検法)の処理を公然と提示した。金御俊(キム・オジュン)の「ニュース工場」放送では支持率反発策としてこの2点がセットで提起され、全容起(チョン・ヨンギ)民主党最高委員もYTNラジオに出演し、支持率低下の解決策の一つとして言及した。結局、弾劾推進は法的判断より先に政治的計算が先行した選択だという指摘が出ている理由だ。
曺大法院長に対する弾劾訴追請願は、すでに国会に提出されていると伝えられる。ただし、請願が弾劾訴追案の発議につながるには国会法制司法委員会の審査などの手続きを経る必要がある。実際に発議されるかどうかはまだ不透明だという見方が優勢だ。発議される場合、在籍議員3分の1以上の発議と在籍議員過半数の賛成、続いて憲法裁判所6人以上の引用(認容)が必要となる。
与野党で割れる計算
民主党内部にも温度差がある。弾劾カードを直ちに切り出すべきだという強硬派と、法案審査の過程でまず「公正な捜査体系の確立」という名分を固めるべきだという中道的な見解が共存している。一方、国民の力は正面から反論した。朴忠権(パク・チュンゴン)首席報道官は「民主党が曺大法院長の弾劾案を発議した瞬間、国民は『李在明弾劾』を叫ぶだろう」と述べ、法案発議そのものが逆風となって跳ね返ると主張した。国民の力は株価暴落や選挙管理委員会の不正などを持ち出し、むしろ特検や国政調査のカードで対抗する構図だ。
司法部に対する弾劾の濫用への懸念も提起されている。大法院長の弾劾は判決結果に対する政治的な不服従と映る可能性があり、憲政史上極めて例外的な手続きであるだけに、慎重論が強まっている。逆に与党の強硬派は、司法の正常化がこれまでの検察改革の議論とつながっているとして、早期処理の必要性を主張している。
政治日程と今後の見通し
注目される変数は国会日程だ。「操作起訴」特検法とともに弾劾訴追案の処理が定期国会中に議論されれば、与野党の対立構図が一段と激化する公算が大きい。民主党は弾劾論議と特検法処理を並行させ、強固な支持層の結集と司法改革の名分を同時に狙う戦略とみられる。
ただし、弾劾訴追案が発議されたとしても、憲法裁判所の認容ハードルが高い点から、成功の可能性は不透明だ。与党内紛がひとまず決着した現時点で、弾劾カードが支持率の反発につながるのか、それとも国民の力が予告した通り「李在明弾劾」という世論の逆風を呼び込むのかが、最大の焦点だ。手続きが本格化するまで、発議の時期と採決の結果を楽観することは難しいというのが大方の見方だ。
