トランプ氏、IMF共同声明に「超知能」の表現を要求
米国が国際通貨基金(IMF)の共同声明にまで「人工知能(AI)」の代わりに「超知能(SI)」という表現を使うよう要求した。超知能は人間より優れた知能を持つ未来型の人工知能を指す。ドナルド・トランプ米大統領が人工知能技術の呼称を変えようとする動きが、米国内を越えて国際社会に波及している。
会議の場では反応が割れた。一部加盟国は当惑の色を見せ、米国側は新しい表現にこだわる構えを見せた。両方の表現を外して「新技術」とだけ記載する妥協案も取り沙汰された。ケビン・ウォーシュ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は16日、クリスタリナ・ゲオルギエバIMF専務理事と共に出席したフォーラムで「あなたはAIと発音するが、米国では今やSIと発音する」と述べた。合意に至らなかった場合、加盟国全体が署名する共同声明に代えて、議長が各国の意見を取りまとめた「議長声明」が出るとみられる。
呼称の変更は先月の国連総会で始まった。トランプ大統領は9月22日の基調演説で「『人工』という言葉は知能を偽物のように聞こえさせる」と述べ、米政府文書で人工知能を超知能に改めると表明した。続いて同月29日には、連邦政府が公式文書やコミュニケーションで超知能という名称を使うよう定めた行政命令に署名し、同日、大手テック企業6社の最高経営責任者(CEO)らと「超知能安全性協定」を結んだ。今月4日にはジェイ・クレイトン国家情報長官が率いる専門チーム「超知能フォース(SIF)」が発足し、8日にはトランプ大統領が自身のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「トゥルース・ソーシャル」に「『人工知能』という言葉を使う者は誰であれ、ホワイトハウスは『敵』とみなす」と投稿した。どのような不利益があるかは明らかにしていない。
問題は、超知能がすでに別の意味で使われてきた技術用語である点だ。人工知能が人間の知的活動を代替する技術を幅広く指すのに対し、科学界が言う超知能(ASI)は人間の知的能力をほぼすべての面で超越する人工知能を意味する。こうした水準の技術はまだ現実には存在しないというのが一般的な見方だ。トランプ大統領は、自身の言う超知能が現在のすべての人工知能を指すのか、最先端の技術のみを指すのかを明らかにしていない。
