ヒューマノイドロボット量産の関門はアクチュエーターサプライチェーンだ
ヒューマノイドロボット量産の最初の関門はアクチュエーターサプライチェーンである。デジタル製造・サプライチェーン企業のピクティブ(Fictiv)で事業開発担当副社長を務めるスティーブ・リケッツ氏は、ロボット企業が試作から大量生産へと移行する段階で最大のボトルネックがアクチュエーター(ロボットの筋肉の役割を果たす駆動部品)で発生すると指摘した。英国のロボット産業メディア「ロボティクス・アンド・オートメーション・ニュース」が10月10日(現地時間)、このインタビュー内容を伝えた。
量産移行の障壁は設計の完成度ではないという指摘も出た。リケッツ副社長は、試作はコンセプトが機能することを証明し、量産はそれを繰り返せることを証明するものだと強調した。少量生産ではエンジニアが手作業で公差を調整できるが、規模が拡大するとこうした場当たり的な対応がばらつき、コスト、遅延の原因となる。ヒューマノイドロボットは実際の運用経験を反映してハードウェアを頻繁に修正するため、従来型の開発順序が成り立たないという。
設計が絶えず変わるロボット開発の状況では、柔軟な生産プロセスが代替策として提示された。リケッツ副社長は、設計が進化し続ける段階ではコンピュータ数値制御(CNC)加工や3Dプリンティング、ソフトツーリングといった柔軟な工程を活用し、設計が安定した下部組立品にのみハードツーリングを適用する方式を提案した。モジュール型アーキテクチャを用いれば、ロボット全体を再設計せずとも腕や手の部分だけを更新できるという。
コスト削減の道筋も示された。部品点数の削減、特殊な締結部品の縮小、不要な精密公差の緩和が出発点であり、複数の関節に同一のアクチュエーター設計を再利用すれば生産量が集中し、単位あたりコストが下がる。こうした標準化戦略こそが、ヒューマノイドロボットの価格を数万ドル水準まで引き下げる関門になるとリケッツ副社長は強調した。
ボストン・ダイナミクス、フィギュア(Figure)、アジリティ・ロボティクスなどの企業や複数の大手自動車メーカーが、ヒューマノイドロボットの大規模な展開を準備している。大企業はサプライチェーンの活用能力や品質システムの運営経験で優位に立ち、スタートアップはより速いスピードと設計実験で対抗するという分析だ。
