11月2日調達市場リポート:80件80社、各1件ずつ
80社が80件――調達市場の分散構造が示すもの
政府調達データ80件が、正確に80社に1件ずつ分かれている。一社が複数件を受注する集中型ではなく、企業当たり1件ずつ分散した構造だ。公共入札市場が少数の大型受注者を中心とするのではなく、多数の中小・専門企業が幅広く参入する市場であることを、データが裏付けている。
調達市場の特性上、大企業が特定品目を独占すれば参入企業数は減り、受注件数も少数に偏りがちだ。ところが今回のデータでは集中度が事実上ゼロに近い。公共調達が「ナラ市場(国家調達ポータル)」などの公開入札システムを通じて中小企業の参入機会を制度的に確保してきた結果と解釈できる。調達庁が運営する小規模契約の優先配分や、地域別・業種別の限定競争といった仕組みが、実際の参入基盤を広げる効果を生んだものだ。
業種構成から見る調達需要の実態
企業リストを業種別に分けて見ると、明確なパターンが浮かび上がる。建築設計・エンジニアリング分野ではハイン総合建築士事務所、ハンビットエンジニアリング建築士事務所、エイトンエンジニアリングなどが確認され、山林・環境分野ではテフン環境、テギョン山林開発、山林資源開発などが名を連ねる。安全技術ではイノベーション安全技術、エレベーター保守管理にはサムジョンエレベーターが含まれた。保険分野の教保ライフプラネット生命保険やショッピングモール運営のマイショップオンショップ、地理情報の金剛地理情報など、互いに異質な業種まで混在している。
このような構成は、政府調達需要が単一産業に偏っていないことを示している。公共部門は建物を建設・維持管理し、山林を管理し、安全点検を行い、公務員向け保険商品まで購入するなど、幅広い財・サービスを調達している。調達=建設という通念とは異なり、実際のデータは設計・環境・情報サービス・金融にまで及ぶ総合市場の姿を示している。
各1件の受注が語る市場への影響
企業当たり1件という数字は、小規模専門企業にとって公共受注が売上の多様化における実質的な通路となっていることを示唆する。ジアンドビープランニング、ナルプムエアンドシー、セロイ、テソン、ヨナムなど、比較的知名度の低い企業も調達の敷居を越えたという点で、公共市場への参入障壁は過去より低下したと見られる。電子調達システムによる透明な情報公開が参入機会を増やした要因と分析される。
ただし、分散構造には両面性がある。中小企業の参入が活発という好材料であると同時に、単発の受注につながりやすく、企業にとって安定した売上基盤になりにくいという解釈も可能だ。一度受注した企業が次の入札で再び名を挙げられなかった点は、競争が激しいこと、あるいは後続の発注量が限定的であることの表れと読み取れる。
展望:多様化は続き、競争はさらに激化へ
政府の中小企業調達拡大政策の基調を踏まえれば、参入企業の業種多様化は今後も続くと見込まれる。デジタル転換に伴い情報サービス・データ関連の調達が増える流れも、今回のリストにおける地理情報・電子商取引企業の参入と軌を一にする。特定分野に依存せず、調達市場全体に需要が分散する構造は、当面維持される可能性が高い。
投資観点から注目すべき点は二つある。まず、公共受注が中小専門企業の売上安定化装置として機能している度合いを、個別企業の業績から追跡する必要がある。次に、入札競争が激化すれば受注単価や収益性が圧迫される可能性があり、件数の拡大だけで市場の質を楽観することは難しい。80社80件という均等な分布は、調達市場が広いことを示すと同時に、その広い市場で生き残るための競争が各企業の課題として残されていることを意味する。
