賃金を受け取ると補助金が減額される――障害者移動支援の実態
全羅南道珍島で障害者の移動を支援していた車両が、2か月近くにわたり運行を停止している。センターから解雇された職員が未払い賃金を受け取るために法的手続きに踏み切ったところ、珍島郡が差し押さえられた金額分だけセンター運営補助金を減額したためだ。センターの運営が停止され、その不便は障害者たちにしわ寄せされている。
歩行が困難な障害者の移動を支えていたバンが駐車場に停まっている。病院へ行く際や買い物の際に利用者の足となっていた車両だ。珍島郡の補助金を受けて運営されていたセンターのバンは先月から運行が停止され、珍島郡が乗用車を投入して仮の移動支援を行っている。
事の発端は2020年から続くセンター長と職員の間の解雇紛争だ。職場内でのいじめを受けた末に解雇された職員は解雇無効訴訟で勝訴し、今年初めに未払い賃金などの受け取りのため裁判所に差し押さえ命令を申請した。センターの補助金のうち3,000万余ウォンが差し押さえ対象に含まれた。
問題はその後だった。珍島郡は、差し押さえられた金銭がセンター運営に使えなくなったと判断し、その分だけ下半期の運営補助金を削減した。賃金の支払いが困難になったセンターは先月、閉鎖された。差し押さえを申請した職員パク・ジュヨンさんは「不当解雇の被害者なのに、運営停止の背景がまるで私の責任であるかのようなレッテルを貼られ、本当に悔しい」と語った。
このセンターは内部事情により、2023年にも1年ほど運営を一時停止していた。
珍島郡は、補助金を支給する機関にすぎず、センターの労使問題に直接介入するのは難しいとし、減額した補助金を追加で支給しない考えを示した。珍島郡は年末まで乗用車による仮の移動サービスを支援する計画で、来年のセンター運営主体と方式はまだ決まっていないと説明した。法的紛争と補助金減額が重なり、障害者利用者の移動支援は途絶えたままだ。
