空飛ぶ太陽光プラットフォーム、5G通信網の補強試験に乗り出す
米ニューメキシコ州の企業Sceyeが、早ければ8月にも太陽光動力の飛行船を成層圏に上昇させ、日本近海の上空で5G通信網を補強する試験を行う。Sceyeが開発中のこの「空飛ぶ太陽光プラットフォーム」は、高高度から広範囲をカバーし、衛星よりも少ないエネルギーで通信信号を送信できる「成層圏通信プラットフォーム(HAPS)」である。全長約60メートルのこの飛行船は、ヘリウムで満たされた機体に太陽光パネルを搭載しており、日本近海到着後、成層圏(約18キロメートル上空)にとどまり、カスタムアンテナでデータ通信を支援する予定だ。Sceyeの最高経営責任者(CEO)は、このプラットフォームは高価な衛星打ち上げや複雑な軌道運用なしに、宇宙に近い環境で通信サービスを提供できると説明した。
成層圏でプラットフォームを安定的に維持することは技術的な難題だ。Sceyeの飛行体は、空中に浮遊するほど軽量でありながら、必要なシステムを搭載するのに十分な強度を備えている必要がある。日中は太陽光で十分なエネルギーを蓄え、夜間や悪天候時に位置がずれた場合にそれを修正するための電動ファンを駆動するエネルギーも確保しなければならない。Sceyeは2024年の試験飛行でこれらの技術的課題を実証した。当時の飛行体は12日間上空にとどまり、様々な位置で任務を遂行した。
SceyeのようなHAPS(High Altitude Platform Station)企業は、エアバス傘下のAaltoなど多数存在し、災害地域へのインターネット提供や地球観測など、多様な目的を目指している。地上での5G網が飽和状態になったり、カバレッジ拡大に限界が生じたりした場合、成層圏のHAPSは移動通信基地局のように空中に浮遊してデータを中継する役割を果たすことができる。フランセンCEOは、いつか空飛ぶHAPSを見ることは、港の船や鉄道の列車を見るのと同じくらい一般的になるだろうと語った。現在、Sceyeのほか、エアバス傘下のAaltoなど複数の企業がHAPS開発競争に参入している。これらのプラットフォームは、インターネットサービス提供に加え、地球表面観測や災害監視など、多様な目的を遂行できる。これは、将来の通信インフラが地上網、衛星網、そしてHAPSを包括する多層構造へと進化することを示唆している。
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