トランプ演説会場にまで及んだデータセンター反対デモ
AIデータセンターへの反対デモがトランプ米大統領の演説会場にまで飛び火した。デモは世界規模に拡大している。AI産業の育成と地域環境被害の間での対立が激化している。米国では、AIデータセンター問題が地域開発の現場を超え、政界の中核的な争点として定着しつつある。
非営利団体「ビルド・アメリカンAI」は約5000万ドルを確保し、カンザス、オハイオ、ウィスコンシンなど反対世論が強い地域をターゲットにした広告や地域社会活動、住民教育など大規模キャンペーンを準備している。同団体は親AIの政治資金募集団体「リーディング・ザ・フューチャー」と連携しており、建設推進派の候補を支援し、反対派候補と対抗する別団体の設立も推進する。データセンターが2026年米国中間選挙で重要な地域争点として浮上するにつれ、AI業界が自ら有権者を説得に出てきた格好だ。
実際に先月7月18日、米国42州でAIデータセンター反対デモ142件が同時多発的に行われた。ギャラップ調査によると、米国民の71%が自分の地域にAIデータセンターが建設されることに反対していると回答し、約半数の48%が「強く反対する」と明らかにした。
「幽霊需要」が電力網を揺るがしている。反対の核心は電力需要の問題だ。AIデータセンターには大規模なGPUサーバーが投入されるため、既存の施設よりもはるかに大きな電力が必要であり、送電線や変電所など電力網の拡張費用が一般家庭や他産業の電気料金上昇につながる恐れがあると住民は懸念している。米国中西部および中大西洋南部地域で事業者が申請した電力需要は700GWを超え、現在のデータセンターの実際の需要より10倍以上多いと推定されている。建設が不確実だったり重複して申請されたプロジェクトまで需要に含まれたことで、いわゆる「幽霊需要」が生じたのだ。
これを受けテキサス州は先月1日、データセンターの新規電力網接続を事実上凍結した。事業者の建設能力と申請電力量の現実性を見極め、電力網への不必要な投資を防ぐのが狙いだ。
既に遅れは生じている。データセンター反対運動を追跡する「データセンターウォッチ」によると、今年第1四半期に米国で住民反対によって頓挫したデータセンタープロジェクトは少なくとも75件に上り、投資規模は約1300億ドルに達した。3カ月間で集計された規模が2024年1年分の遅延規模に匹敵する水準となっている。
