電気自動車のバッテリー、車から分離し独立資産とする法制化を推進
電気自動車(EV)のバッテリーを車体から取り外し、別個の資産として扱う立法協議が国会で本格的に始まった。
共に民主党の孫明洙(ソン・ミョンス)議員が主導し、国会と政府、産業界が協力体制を構築して「所有権分離」制度の導入方策を模索している。連合ニュースの報道によると、今回の協議は、電気自動車の初期購入費用の負担を軽減し、使用済みバッテリーを再資源化するエコシステムの構築に焦点が当てられている。
バッテリーが車両価格の半分、コスト負担が解決策の出発点
電気自動車の価格に占めるバッテリーの割合は30~40%に達する。近年はバッテリー原材料の価格変動も重なり、電気自動車の普及拡大における最大の障害と指摘されている。消費者にとっては数千万ウォン規模のバッテリー代金を一括で支払う必要がなくなり、メーカーにとってはバッテリーを金融資産のように運用する余地が生まれる、というのが今回の立法構想の核心的な論理だ。
「車は車、バッテリーはバッテリー」という仕組みが法制化されれば、バッテリーは自動車部品ではなく独立した財産として扱われる。消費者が車体のみを購入し、バッテリーはレンタルやサブスクリプションの形で利用する方式が代表例だ。この場合、バッテリーの性能低下により交換が必要になった際に生じる費用リスクを、消費者が全面的に負担することはなくなる。
使用済みバッテリー市場が拡大へ
所有権分離が現実化すれば、使用済みバッテリー市場の成長の原動力が強まる。性能が低下して車両には使用しにくくなったバッテリーでも、精製工程を経ることなく蓄電池(ESS)などに再利用でき、経済的価値が残るためだ。バッテリーを独立資産として管理すれば、残存寿命や状態を正確に評価して取引できる制度的基盤も整う。
さらに、バッテリーを担保とした金融商品の設計や、リース・保険産業との連携も可能になる。政府と産業界が共に協議の場に加わっているのはこのためでもある。制度設計には企業間の利害調整が不可欠だからだ。
争点:責任の所在と消費者保護
ただし、導入に向けた課題も少なくない。バッテリーの火災や欠陥が発生した際、車体メーカーとバッテリー所有者の間の責任の所在を法的に明確にする必要がある。所有権が分離されれば、既存の自動車管理の責任体制では対応が困難になる。バッテリーの状態評価基準と鑑定の信頼性を確保する方策も解決すべき課題だ。
専門家は、欧州など海外の事例と国内の金融・法制度環境を反映した試験的導入が必要だとの見解を示している。急激な制度転換よりも、レンタル商品を中心とした段階的な拡大が現実的だという指摘も出ている。
立法スケジュールと市場への波及効果
今回の協議は、国会が主導し産業界と政府が協力する形で進められている。関連法案が国会に提出されれば、所管委員会での審査を経て、技術・金融規制の整備と並行して進められる見込みだ。制度の早期定着のためには、バッテリーの標準化と履歴管理体制の構築が先行されるべきだというのが業界共通の要請だ。
所有権分離制度が定着すれば、電気自動車の初期購入の障壁が下がり、普及速度に肯定的な影響を与えると予測されている。バッテリーの再資源化や金融市場へとつながる産業エコシステムの拡大も期待される。ただし、責任規定と消費者保護の仕組みの完成度が、制度の成否を左右することになりそうだ。
