老人向け雇用を118万件に拡大へ 政府として初
老人向け雇用118万件が、李在明政権の福祉政策の最初の一手として決定された。
李在明大統領は2日、第30回老人の日に際し、「お年寄りの皆様がいたからこそ、今日の韓国がある」と述べ、「政府は子どものように見守っていく」と明らかにした。この場で、低所得層への基礎年金支援をさらに手厚くし、老人向け雇用を118万件に拡大するという具体的な方針が示された。数字に換算すれば、既存事業の規模と比べて数十万件が増える大幅な拡大となる。超高齢社会に突入した状況を踏まえ、お年寄りの所得保障にとどまらず、社会参加の機会まで広げようという意図と解釈される。
なぜ今、老人政策なのか
背景には急速な高齢化がある。韓国はすでに65歳以上の人口比率が20%を超える超高齢社会だ。老人貧困率はOECD平均を大きく上回る水準にあり、政府にとって基礎年金の強化は選択肢ではなく必須の課題として浮上している。李大統領が「お年寄りの皆様がいたからこそ、今日の韓国がある」と位置づけたのも、世代間連帯を政府の責任として引き受けようというメッセージと受け止められる。
雇用拡大の重みも大きい。市場が生み出す雇用だけでは、高齢者層の所得の空白を埋めることは難しいという判断が根底にある。公営型・民間型の老人向け雇用事業を118万件規模に引き上げるというのは、財政投入を前提とした決断だ。単に件数を確保するにとどまらず、社会活動への参加が抑うつ感の緩和や健康維持につながるという福祉研究の知見も、政策の根拠として作用したとみられる。
政治的計算と市場に残された課題
政治的に、今回の発表は民心回復の性格を帯びている。李大統領の国政運営への肯定的評価は、NBS調査で43%と就任後最低を記録し、否定的評価は50%を超えた。支持率低下の原因を伝統的な支持層の離反と診断する声が民主党内から上がっているだけに、福祉拡大カードは離れた支持層を取り戻す実質的な対応と解釈される。チョン・チョンレ民主党代表が党代表当選時に支持率を60%以上に回復させると公言したのと同じ方向性だ。
しかし財政負担は課題として残る。基礎年金の引き上げと118万件への雇用拡大は、毎年数兆円規模の予算増加を招かざるを得ない。税収環境が好ましくない状況で財源確保策が伴わなければ、政策の持続可能性への疑問が提起されるだろう。税制や健康保険財政の議論が続くべき理由だ。福祉拡大は短期的な支持率にはプラスだが、財政健全性への負担は長期的な課題として積み重なる。
展望:予算が最初の関門だ
今後の注目点は明確だ。来年の予算案に老人向け雇用と基礎年金関連の項目がどれだけ反映されるかが、今回の公約の真剣さを測る尺度となる。国会審議の過程で与野党が福祉財政の規模をめぐって調整する可能性が高い。高齢化の速度を考慮すれば、老人政策は一度の発表で終わる話題ではなく、次期総選挙や地方選挙にまで影響を及ぼす構造的な変数として定着するとの見通しだ。
最終的に成否を左右するのは数字ではなく実感だ。118万件という統計が、個々のお年寄りの所得や日常生活における実際の変化につながったとき、この政策は支持率回復以上の意味を持つことになるだろう。政府が「子どものように見守る」と約束したからには、その約束を予算と執行で証明しなければならない試練が始まった。
