10月24日の証市レポート:原油高でダウ1.23%下落
中東発の原油価格急騰がニューヨーク市場を圧迫し、半導体・プラットフォームの大型株はいずれも0.1%前後の小幅下落で取引を終えた。
連合ニュースの報道によると、23日(現地時間)のニューヨーク証券取引所でダウ工業株30種平均指数は前日比652.82ポイント(1.23%)安の52,215.16で終了し、S&P500指数も39.75ポイント(0.52%)安の7,623.68を記録した。国際原油価格は6カ月ぶりの高値をつけ、物価不安を刺激し、投資心理は安全資産に向かった。個別大型株の下落幅が指数を下回った点が、この日の特徴である。
指数を下回る下落幅…大型株の相対的な防御力
主要29銘柄の騰落率を見ると、下落銘柄の幅は-0.00%から-0.08%にとどまった。ダウが1.23%急落したことと比べれば、個別大型株は事実上現状維持だった。むしろアップル(+0.01%)、バークシャー・ハサウェイB(+0.01%)、イーライリリー(+0.03%)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(+0.04%)、Visa(+0.02%)、マスターカード(+0.02%)などが小幅上昇し、指数の下落を相殺した。
| 銘柄 | 現在値 | 変動率 | 時価総額 | PER |
|---|---|---|---|---|
| エヌビディア | 212.21 | -0.04% | 5.12兆円 | 26.8 |
| アップル | 348.22 | +0.01% | 5.08兆円 | 39.9 |
| アルファベットA | 324.22 | -0.03% | 3.97兆円 | 16.3 |
| マイクロソフト | 521.08 | -0.02% | 3.87兆円 | 29.0 |
| アマゾン | 250.38 | -0.05% | 2.70兆円 | 20.1 |
| TSMC | 412.35 | -0.05% | 2.14兆円 | 26.7 |
| メタ | 648.85 | -0.07% | 1.65兆円 | 22.1 |
| AMD | 507.93 | -0.08% | 0.83兆円 | 129.6 |
| インテル | 85.49 | -0.08% | 0.45兆円 | - |
| マイクロン | 856.49 | -0.06% | 0.97兆円 | 11.5 |
表が示すように、下落幅が最も大きかったAMDとインテル、メタ(-0.07%)、ASML(-0.07%)はいずれも0.1%未満にとどまった。グロース株であり半導体バリューチェーン(価値連鎖)の軸に立つ銘柄の下落が指数の下落分を下回ったことは、今回の売りが企業業績ではなく原油価格という外部変数から出たものであることを示している。業績への信頼が揺らいだ相場であれば、ベータが高いグロース株の下落幅が指数を上回るのが一般的だからだ。
バリュエーションの乖離…マイクロンの11.5倍とテスラの411.6倍
同じ半導体セクターの中でもバリュエーション(株価水準に対する収益評価)の格差が際立っている。マイクロンはPER11.5倍で調査対象銘柄中最も低い。エヌビディアの26.8倍、TSMCの26.7倍と比べても半分の水準だ。一方、テスラはPER411.6倍、パランティア173.6倍、AMD129.6倍と3桁台を記録した。両極端の間に、アルファベット16.3倍、バークシャー・ハサウェイ13.8倍、JPモルガン14.1倍といった割安銘柄が位置する。
こうした格差は、市場が同じ産業内でも収益の質を異なる形で評価していることを意味する。マイクロンについては、メモリ好況に伴う利益改善がまだ株価に十分反映されていないという解釈が可能だ。テスラとメタはEPS成長率がそれぞれ-4709.0%、-256.0%と低迷しており、高いPERが重荷として作用しうる。特にメタは今回-0.07%下落し、大型プラットフォームの中で最も弱い姿を見せた。
安全資産優位…消費・医療・カードの防御力
上昇銘柄の顔ぶれはディフェンシブ株の論理をそのまま示している。イーライリリーとアッヴィに代表される医療、ウォルマート(+0.03%)とコストコ(+0.02%)の必須消費、Visaとマスターカードの決済インフラが、原油高の衝撃に強い業種群を形成した。ジョンソン・エンド・ジョンソンはEPS成長率8887.0%という圧倒的な改善傾向に支えられ+0.04%上昇し、PER40.6倍といささか高い水準でありながらも買い意欲を確保した。エクソンモービルとシェブロンが横ばい圏(+0.00%、-0.00%)で持ちこたえたのも、原油上昇の恩恵期待が反映された結果と解釈される。
見通し…短期的な売りから業績相場への転換
来週の市場の方向性は原油価格よりも業績が決める可能性が大きい。国内市場もサムスン電子とSKハイニックスの業績発表および追加的な株主還元の有無によって方向性を探る見通しだという連合ニュースの報道は、米国半導体株にもそのまま当てはまる構図だ。TSMC、マイクロン、AMD、インテルへと続く半導体バリューチェーンの業績提示が、今回の小幅下落を巻き返す契機となりうる。
投資への示唆は2つある。第一に、0.1%未満のわずかな下落幅は、外部ショックに対する市場の耐性が依然強いことを示すシグナルであり、性急な売却よりも銘柄ごとのバリュエーション検証が有効だ。第二に、PER11.5倍のマイクロンと3桁PERのテスラ・パランティアが共存する構造では、セクター全体に賭けるよりも、利益に裏付けられた銘柄を選んで組み入れる戦略が有利に見える。ハンター・トンプソンの言葉のように真実は通常の取引時間中には語られにくいものだが、この日の数字は比較的率直に語っている。原油価格ではなく、利益こそが今後の方向だ。
