実在の会社を立ち上げるMIT卒業生による高校生向け起業教育
米マサチューセッツ工科大学(MIT)の卒業生が立ち上げた起業プログラム「LaunchX」は、高校生が模擬訓練ではなく実際の会社を設立・運営し、本物のビジネスを経験させるものだ。
スターチ氏は、10代の頃から世界の問題を解決したいという野心を抱いていたと明かしている。MITに進学すると、同様の熱望を抱く同世代が自分だけではないことに気づき、その原因を教育にあると考えたという。ローリ・スターチ氏はMITテクノロジーレビューのプロフィールで、「大人は数学や科学に秀才な若者を見て『いつか偉大なことを成し遂げるだろう』と言う。しかし肝心の伝統的な教育は、彼らをその準備ができた状態にしてくれない」と語った。スターチ氏の診断によれば、有能な学生ほど「将来への約束」に縛られ、今すぐ実行することを学べていないという。才能を単に将来の資産として分類するだけで、機会を与えない構造の隙間を埋めるのがLaunchXなのである。
参加者は夏季の4週間集中コースでチームを結成し、解決すべき問題を絞り込み、製品やサービスを自作して市場に送り出す。コース終了前には事前注文を受けたり、売上を上げるチームも現れる。事前注文とは顧客が対価を支払うことを前もって約束するものであり、市場検証のシグナルとなる。
2013年にMITキャンパスで30名を対象に最初の夏季コースを開催したLaunchXは、対面とオンラインで幅を広げ、現在は年間約500名を指導している。スターチ氏は、プログラムの規模が雪だるま式に膨張したと表現している。
運営母体の経歴も、このモデルに深く結びついている。テキサス州とノースカロライナ州で育ったスターチ氏は、MITで機械工学を専攻した後、2011年にハーバード・ビジネス・スクールで経営学修士(MBA)を取得した。彼女はモノを作る工学と、売れる商売の勘を兼ね備えてからプログラムを設計した。
