国民の力、期日前投票廃止法案を党議として発議
期日前投票制度が廃止される可能性が出てきた。
国民の力は21日、6・3地方選挙での投票用紙不足事態への対策として、期日前投票の廃止と選挙管理委員会の全面改編を骨子とする「国民参政権守護法」を党議として発議した。6・3国民参政権侵害真相究明および選挙管理改革特別委員会(6・3特委)はこの日午後、国会の法案課に選管委法全面改正案と公職選挙法改正案などを提出した。与野党第1党の野党が一つの法案に「参政権守護」という名を付け、党議として強行する異例の手続きであるだけに、政界への波紋は小さくない。
なぜ今、期日前投票廃止論が出てきたのか
発議の直接の契機となったのは、6・3全国同時地方選挙の際に発生した投票用紙不足事態だ。投票当日、一部の投票所で投票用紙が不足し、有権者が待機を余儀なくされたり投票に支障を来したりした実態が確認されたことで、選挙管理の責任をめぐる批判が強まっていた。連合ニュースの報道によると、李太韓(イ・テハン)選挙管理委員会特別捜査チームは、期日前投票箱の入札不正疑惑が提起された選管委職員出身の納入業者代表を召喚・調査するなど、選管委内部の問題に関する捜査も進めている。国民の力は投票用紙不足と調達不正疑惑を「組織的な管理失敗」と位置づけ、期日前投票という制度そのものを問題視する方向で改革の論理を組み立てた。
期日前投票は、投票日に参加しにくい有権者が事前に投票できるようにした制度で、近年は利用率が大きく伸びた結果、選挙管理の規模と複雑さも拡大した。ただし、有権者のアクセス向上という効果があるとの評価もあり、廃止が管理失敗への適切な処方なのかをめぐっては見解が分かれている。
法案の核心的内容
今回の立法パッケージは大きく二つの柱から構成される。第一は、公職選挙法改正案による期日前投票の廃止だ。国民の力は党としての議論の中で、これを「選管委解体レベルの改編」と表現するほど、強度の高い構造変更であると強調した。
第二は、選管委法の全面改正案だ。核心は選管委の監査機能の外部独立性の確保だ。法案は外部専門家の合議体が参加する独立した法定合議制監査委員会を導入し、この機関に懲戒要求権と告発権を付与した。監査および措置の結果は国会に報告することを義務づけ、常時監視体制をつくった。すなわち、期日前投票廃止という「制度縮小」と、監査委員会新設という「統制強化」を同時に推進する構造だ。
賛否をめぐる論争
国民の力の内部では、6・3事態で損なわれた選挙の信頼を回復するには、管理主体である選管委の責任を厳しく問い、失敗の反復を招く構造的原因を除去しなければならないという論理が支配的だ。党が改正案を党議としてまとめ一括発議したのも、いわゆる「6・3特委」という専任組織を通じて政府・与党の改革課題としていこうという戦略と解釈される。
反対論も強い。期日前投票の廃止は、有権者の投票機会を実質的に減らす措置だという指摘が出ている。会社員や移動人口の多い有権者にとって期日前投票は事実上唯一の参加手段だからだ。選挙管理の問題を投票機会の縮小で解決するのは論点がずれているという批判も避けられない。無所属の韓東勲(ハン・ドンフン)議員が選管委員長の常任化などを骨子とする選管委法改正案を別途発議するなど、選管委改編の方向性そのものをめぐって与野党内部でも立場の違いが確認される。改革の焦点を「組織刷新」に置くのか「制度廃止」に置くのかが、核心的な争点として浮上しつつある。
立法手続きと展望
法案は今後、国会の所管委員会に付託される。公職選挙法と選管委法は政治改革特別委員会または該当する常任委員会で審査されることになるが、選挙制度の変更は次期選挙に適用されるため、通例、選挙日のかなり前に確定しなければならない慣行がある。この点で、与野党の協議が早期にまとまらなければ、法案自体が宙に浮く可能性もある。
与小野大の構図で野党である国民の力の党議発議は、局面転換と名分確保の性格が強い。期日前投票廃止について与党の共に民主党が同意する可能性は低いというのが主流の見方で、監査委員会導入など選管委内部の統制装置については案件ごとの協議の余地が残っている。結局、全面改正案の通過よりも、部分的な合意、すなわち監査・懲戒体系の改善の方向で妥協が成立する可能性が高いとみられる。6・3投票用紙事態の特検捜査の結果が相次いで出る中、選管委改編論議は調査の進展に応じて政治的な勢いが変動していく見通しだ。
