9月23日 株市リポート:インテル堅調でナスダック最高値
インテルが0.12%上昇し、上場銘柄中最大の上昇率を記録した。ニューヨーク市場はナスダックが史上最高値を更新するなか、まちまちの相場で取引を終え、メタ(EPSが-256.0%の減益にもかかわらず+0.11%)とAMD(+0.10%)が半導体・AI関連株の弱い相場の中で粘りを発揮した。
22日(現地時間)の終値ベースで主要銘柄の動向を見ると、大半の大型テック株が0.00%~0.03%の範囲でほぼ横ばいに留まった。原油安と米10年国債利回りの5%接近という重圧の中でも、ナスダック指数は半導体株の強さに支えられ2営業日連続で史上最高値を更新した。ダウ工業株30種だけが0.36%安の5万1863.69で終え、指数間の流れが分かれた。
主要銘柄の騰落:インテル・メタが際立つ
| 銘柄 | 現在値 | 騰落率 | 時価総額 | PER |
|---|---|---|---|---|
| インテル | 121.78ドル | +0.12% | 0.64兆円 | - |
| メタ | 741.245ドル | +0.11% | 1.89兆円 | 27.9 |
| AMD | 615.52ドル | +0.10% | 1.00兆円 | 156.2 |
| マイクロン | 1,043.96ドル | +0.03% | 1.18兆円 | 23.6 |
| エヌビディア | 227.38ドル | +0.02% | 5.49兆円 | 28.7 |
| バークシャー・ハサウェイ(B級) | 502.01ドル | -0.02% | 1.07兆円 | 12.6 |
| シェブロン | 203.67ドル | -0.03% | 0.40兆円 | 19.6 |
表が示すように、今回のセッションの特徴は変動幅そのものが小さい点にある。個別銘柄の最大上昇率はインテルの+0.12%、最大下落率はシェブロンとエクソンモービルの-0.03%にすぎない。方向性よりもセクター間の微細なローテーションが際立った一日だった。
インテルの上昇は株価の動きだけを見ればわずかながら、前日の108.6ドル台から12%以上跳ねた短期モメンタムの上で出たものだけに意味が異なる。PERが集計されない点は依然として赤字体質にあることの信号だが、EPS成長率9865.5%という反発指標は底を打ち回復軌道に入ったことを示している。
メタの+0.11%も決して偶然ではない。EPS成長率が-256.0%に悪化したにもかかわらず株価が上昇したということは、市場が短期的な実績よりもAIアシスタント「ミューズ」の人気がもたらすユーザー拡大と広告収益構造の変化に価値を見いだしていることを意味する。エヌビディアやマイクロンなどミューズ関連のインフラ受益銘柄がそろって強含んだのも同じ文脈だ。
セクター動向:半導体強気 vs エネルギー弱気
セクターごとの対比は明確だ。半導体チェーンの上流から下流まで満遍なく上昇した。半導体製造装置のASML(+0.02%、PER 58.8)、ファウンドリのTSMC(+0.02%)、ファウンドリの競合であるインテルとAMDに至るまで、すべてプラス圏だ。これは特定銘柄の個別好材料ではなく、AI半導体需要見通しに対する市場全体の再評価と読み取れる。
一方、エネルギーセクターは原油安をそのまま反映した。シェブロンが-0.03%、エクソンモービルが-0.03%下落し、エクソンモービルのEPS成長率は-1454.1%を記録した。中東発の供給懸念がホルムズ海峡とサウジ関連の報道で緩和され、原油価格が下落したためだ。ただし外電報道の通り、国際原油価格は中東のニュース一件で方向が変わる可能性があるため、エネルギー株の弱気がトレンドとして続くかは判断が早い。
金融株は中立的な流れだ。JPモルガンは+0.01%の小幅上昇にとどまり、PER 15.1で大型株の中では割安圏を維持している。バークシャー・ハサウェイ(B級)は-0.02%下落したものの、PER 12.6は表全体で最も低い水準だ。
バリュエーション診断:成長株プレミアムは依然健在
時価総額上位陣のバリュエーション格差が示唆するところは大きい。エヌビディア(5.49兆円、PER 28.7)は時価総額1位を維持しながらも、PERはアップル(38.9)より低い。EPS成長率6599.3%が圧倒的な収益拡大によってPERの分母を急速に押し上げているためだ。マイクロソフト(27.9)、アマゾン(20.8)、アルファベット(17.8)もPER 30を下回り、かつての「ビッグテックバブル」論議時よりもはるかに安定したバリュエーションを示している。
一方、PER 300を超えるテスラ(344.3)と150倍台のAMD(156.2)、パランティア(156.5)は、期待感が業績で裏付けられるまで高い下落リスクを抱えている。特にテスラはEPS成長率-4709.0%で収益性が大きく悪化した状態にあり、バリュエーションの負担がより重い。
投資示唆と展望
今回のセッションが与える教訓は明快だ。指数は史上最高値なのに、個別銘柄の動きはきわめて静かだ。すなわち市場は方向を定められないまま、セクターローテーションとイベント反応だけを繰り返す局面にある。こうした局面では、短期モメンタムよりもバリュエーションと業績回復の確実性を備えた銘柄が有利だ。
今後の変数は2つある。まず米10年金利が5%に接近している点だ。金利がこの水準を超えれば成長株の将来キャッシュフローの割引率が上昇し、PERの高い銘柄から圧力を受けるだろう。次に原油価格だ。中東情勢が再燃すれば、エネルギー株の反発と半導体株の調整が同時に現れる可能性がある。
「成功への道はいつも工事中」という言葉の通り、半導体株の上昇フローも日々再検証される。ナスダックの史上最高値更新ラリーが金利と原油という2つの火種を乗り越えて続くのか、それともバリュエーションの低い金融・バリュー株へ資金が移るのかが、今後数週間の注目ポイントと見られる。
