李在明大統領、戦時作戦統制権の早期移管(還収)を直接指示
李在明大統領は、戦時作戦統制権の移管(還収)を「速やかに完遂せよ」という課題として掲げた。
李大統領は1日、忠南・鶏龍台で開かれた第78周年国軍の日記念式典に出席し、戦時作戦統制権の移管を通じた自主国防の実現を強調した。戦時作戦統制権とは、戦争勃発時における韓国軍の作戦指揮権限を意味し、現在は韓米連合司令部がこれを行使している。李大統領はこの場で、軍の政治的中立についても併せて強調した。これは最近のDMZ地雷爆発事件以降、安全保障組織の政治的偏向をめぐる論争が続く状況下での発言であり、その重みが増している。
自主国防宣言の背景と安全保障の懸案
この日の記念演説で目を引くのは、安全保障の懸案へのアプローチの仕方だ。李大統領はDMZ地雷爆発事件を「不意の事故」と表現し、北朝鮮の責任には直接言及しなかった。その一方で、先月18日の記者会見で示した「戦争に関与または介入する形態の戦闘力派遣」への反対の立場や、2日の「南北関係の結び目を一歩一歩解きほぐしていく」との発言のように、対話の復元と軍事的緊張の緩和という基調を維持している。北朝鮮に対話の復元と軍事的緊張緩和措置の継続を促したのも、同じ文脈だ。
その一方で、原子力潜水艦の建造や極音速ミサイルなど、ミサイル技術の先端化に速度を上げるべきだと指示した。緊張緩和と軍戦力強化を同時に追求する、いわゆる二面戦略だ。国軍の日記念式典という象徴的な舞台で、作戦統制権移管と核潜水艦を併せて言及したのは、自主国防への意志を軍指導部と国民に直接刻みつける狙いと解される。
政治的波紋と与野党の攻防
戦時作戦統制権の早期移管をめぐる議論は、政界でも敏感な点だ。国民の力は、DMZ地雷惨事をめぐり、張東赫代表が「文在寅・李在明政権の合作だ」と主張するなど、安全保障攻勢を続けている。李大統領が事故直後に軍当局へ「迅速かつ透明な真相調査」を指示し、根拠のない陰謀論を警戒したのは、こうした野党の攻勢に対する対応という性格も含んでいる。
戦時作戦統制権の移管は、韓米同盟レベルでの調整課題でもある。移管の時期と条件は、韓国軍の独自作戦遂行能力の評価にかかっているだけに、今回の発言が実際の実施スピードにつながるかは注視の対象だ。米国とメキシコへの外遊を終えて帰国した直後に国務会議を主宰するなど外交日程をこなしている李大統領の対米アプローチとも絡み、作戦統制権交渉の動向が今後の韓米関係の試金石となることが見込まれる。
支持率低下の中での安全保障カードの意味
この時点で、安全保障の自主性強調が持つ国内政治的な意味も検討に値する。NBSの調査基準では、李大統領の国政運営に対する肯定評価は43%と就任後最低を記録し、否定評価は50%を超えた。一部の世論調査では36.5%まで下落したとの集計もある。記者会見や外遊においても支持率の反発効果は微々たるものだったという分析が出る中、住宅・雇用・庶民金融などの3大社会政策とともに、安全保障分野は政府が成果を生み出せる潜在領域だ。
戦時作戦統制権の移管や原子力潜水艦などの大型軍事課題は、予算と技術、同盟の協力という3つの条件を満たす必要があり、短期的な成果の創出は容易ではない。それでも、自主国防の言説は野党の安全保障批判に対する防御壁となり、保守層の一部の信頼を確保する効果が期待できるだけに、李大統領の安全保障メッセージが支持率回復の原動力となるかが注目される。
南北関係の停滞と地雷事故の余波が続く中、李大統領の戦時作戦統制権移管指示は、自主国防のロードマップが具体化されるか否かが核心的変数になるとみられる。曹碩大(チョ・ヒデ)大法院長の裁判官再指名拒否で露呈した司法部との対立、金智溶(キム・ジヨン)重水処長候補者の任命をめぐる民主陣営内の対立など、政治日程が山積する状況の中で、軍改革は比較的国民的合意を集めやすい領域だという評価も出ている。戦時作戦統制権移管の条件充足に向けた軍の構造改編と韓米協議のスピードにおいて、今後のこの政権の安全保障政策の方向性が問われる見通しだ。
