派遣検事20人に捜査権を付与した「捏造起訴」特検が発足
派遣検事20人に捜査権が与えられる特検が初めて発足する。
共に民主党主導で「捏造捜査・捏造起訴真相究明特検法」(捏造起訴特検法)が今月6日、国会本会議を通過したことで、尹錫悦政権時代に検察、国家情報院、監査院など国家機関が処理した主要事件の捜査・起訴過程が検証の対象に上がった。この法律は、李在明大統領関連の事件6件を含め、文在寅政権時代の事件まで捜査範囲に含めている。国会は国民の力の無制限討論、いわゆるフィリバスターを24時間余りで採決により強制終了した後、法案を処理した。
直接捜査権廃止と衝突する旧法適用
今回の法案の最大の争点は捜査主体の構造だ。改正刑事訴訟法の施行により検事の直接捜査権が廃止された状況で、捏造起訴特検法は旧法体系をそのまま適用し、特検傘下の派遣検事20人に捜査権を付与する。特検チームが自ら捜査を開始し、強制捜査を進められるようにした設計だ。しかし、法律の施行時点と捜査権限の根拠法令が食い違うことで憲法違反の懸念が提起されている。曺国・曺国革新党代表は「違憲の恐れ」があると指摘した。捜査権のない検事の時代に捜査権のある検事20人を別に置く構造が刑事訴訟法改正の趣旨と正面から衝突するという指摘だ。
鄭誠虎・前法務部長官も民主党内で異見を出した。彼は「捏造起訴特検をもっと熟議すべきだった」「明らかにするのは容易ではない」と明らかにした。与党内部でも法案の実質的な成果の可能性と立法手続きの慎重さへの懸念が存在することを示す場面だ。
捜査範囲を巡る論争と公訴取消の火種
法案の文言自体への批判も少なくない。連合ニュースの報道によると、この法律は捜査範囲をあまりに広く設定しており、「捏造捜査」「捏造起訴」などの表現が曖昧なため、捜査の無限拡大の懸念が提起されている。範囲規定が不明確な場合、特検が恣意的に事件を拡大・縮小できることになり、これはすなわち特検捜査の成果物である起訴自体の効力を巡る争いにつながり得る。すでに進行中の裁判や確定判決について公訴取消の火種が残るという分析も出ている。過去に特検が法案の欠陥を理由に無効判定を受けた前例を踏まえると、捜査の成果が法的な争いで無駄になる可能性は構造的リスクだ。
与野対立と議場外闘争
国民の力はこの法律を「李在明防弾悪法」「李在明脱獄法」と規定し、反対世論を組織する動きに出た。国会外で反対集会を開くなど議場外闘争の度合いを強めており、一部では関係公務員に対する弾劾の言及まで出ている。彼らの立場からは、特検の捜査対象と政治的な時点が事実上特定人物の裁判防御と過去政権攻撃を狙ったものだという批判だ。
民主党は切り返した。与党は「国民を惑わすのをやめるべきだ」として、国民の力の議場外闘争を「尹錫悦政治検察の防弾」と反論した。検察組織の捏造捜査疑惑をもみ消そうとする勢力が、むしろ特検を政治攻勢と貶めるという論理だ。結局、この法案は司法的正義という本質的な争点よりも、政治陣営間の信頼戦争の性格が色濃くなっている。モンテスキューが言ったように、国民が最高権力を握る民主主義において権力の濫用を判定するのは、結局国民の判断に帰着する。両陣営の主張が平行線を辿る状況で、特検の実質的な成果の有無だけが有権者の選択を左右することになるだろう。
今後の日程と波及効果
法律の成立に伴い、特検候補者の推薦と任命手続きが順次進められる見通しだ。特検は構成直後、捜査対象事件全般に対する検察記録の閲覧と参考人調査に着手するものとみられる。捜査期間が長引く場合、来年の政局日程と重なり、政治的な波紋が拡大する可能性が大きい。
法的リスクも残されている。旧法適用による違憲の懸念と捜査範囲の曖昧さは、憲法裁判所や裁判所の判断を受ける可能性を抱えている。特検捜査が進展しても、核心的な起訴が法的欠陥で無効化されれば、立法の実効性自体が損なわれる。逆に捏造捜査が実際に確認された場合、尹錫悦政権検察の捜査慣行はもちろん、過去の確定判決の再審請求など後続手続きにつながり得る。政治的な勝負と法的安定性の間で、特検の第一歩がすでに検証の対象に上がっている。
