AIで読み解く経済 第6話 100万のロボット倉庫とデータ競争
世界最大のショッピングモールであるアマゾンは2025年6月、300箇所以上の物流施設で100万台目のロボットを稼働させ、これらを知的に制御するためにも人工知能(AI)を活用して物流速度を高めている。アマゾンは2012年に移動式棚ロボットを導入して以来、多様なロボットを導入したが、数千台のロボットが限られた空間を行き来する際の効率問題が発生した。これを解決するため、最近では物流センター全体を一つの都市と見なし、ロボットの動きを統合管理する生成型AIベースのモデル「ディープフリート(DeepFleet)」を導入した。アマゾンはディープフリートによりロボットの移動効率が10%改善できるとしている。この数値はロボット1台が10%速くなるという意味とは異なり、同じ設備と空間で衝突や渋滞を減らし、全体の処理能力を高めるシステム効果であることが本質だ。倉庫の競争力がロボットのハードウェア性能から、数多くのロボットを同時に動かす運営アルゴリズムへと移っていることを示している。ただし、10%というのはアマゾンが提示した期待値である。
注文前に始まる配送競争において、AI物流の経済性は注文前の需要予測でより大きく表れる。AIが地域・季節・イベント・価格・購入パターンを分析して売れる商品を予め顧客の近くの拠点に配置するため、在庫の移動距離や緊急補充、品切れや過剰在庫を削減できる。アマゾンは2025年第2四半期の決算資料で、AIベースの需要予測の地域精度が20%改善したと説明した。アマゾンはこの予測により人気商品を需要地域の近くに置いて配送速度を高め、2026年には統合在庫プールと予測機能を外部企業の販売チャンネルに提供するサプライチェーンサービスへ拡大した。予測が当たれば費用は削減されるが、外れると売れない商品が地域倉庫に積み上がり、他の地域で品切れが発生する。
こうした中、物流量が多い企業ほど多様な商品、地域、突発的な状況を経験するため予測精度が高くなる。精度が上がれば同じ施設でより多くの注文を処理できるようになる。低下したコストと速い配送が再び注文を呼び込み、データが蓄積される好循環が働く構造だ。この構造は後発企業にとって新たな参入障壁となる。ロボットやAIソフトウェアは購入できても、十分な注文と運営データなしではモデルの高度化は難しい。大型プラットフォームの物流網を利用する中小の売り手は、速い配送を得る代わりに、手数料と在庫、顧客データをプラットフォームに依存することになる。
国内の物流企業も自動化とAIを組み合わせている。CJ大韓通運はスマート・フルフィルメントセンターで無人搬送ロボットが商品を作業者のもとへ運搬する方式により、既存工程比で生産性が55%向上したと紹介した。AIビジョンピッキングロボットは3次元映像とディープラーニングで形状の異なる商品を認識して時間当たり平均600個を処理し、梱包システムは箱の空きスペースを平均36%削減したと同社は伝えた。国内導入の障害となっているのは成果の検証である。
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