ロシア、NVIDIAチップ搭載ドローンで人的介入なしに初の攻撃を実施
ロシアは、人の介入なしに自ら目標を探し出して攻撃するNVIDIA製AIチップ搭載ドローンを、初めて実戦に投入した。今回の攻撃で民間人3人が死亡した。今月6日、ロシア製ドローンがウクライナ南東部ザポリージャのガソリンスタンドにある大型プロパン貯蔵施設を攻撃し、大爆発を引き起こした。ロシアは1日に数百機ものドローンを発射してきているため、通常のドローンだと思われていたが、ウクライナが残骸を回収して分析した結果、従来のドローンとは異なることが判明した。
このロシア製ドローンからは通信用アンテナが外れていた。ドローンには本来、人の指示や命令を受けるためのアンテナが内蔵されている必要があるが、このドローンは最初からアンテナなしで製造されたと見られる。その代わり、NVIDIAの超小型コンピュータ「Jetson Orin(ジェットソン・オリン)」が発見された。
ロシアはこのコンピュータに暗号化を施していなかったため、内部の確認が可能だった。保存装置にはウクライナ地域の画像や地形データ、埋め込まれたコードが保存されていた。特定の物体を追跡して打撃を与えるよう事前に学習させたデータも含まれており、学習対象はエネルギー貯蔵施設であった。ウクライナ側の分析によると、ドローンは事前に入力された地点へ自ら飛び、機械が選択した目標物を攻撃したという。
AIが実戦において独自に標的を選定して攻撃した事例はこれまでなく、殺傷用AI攻撃によって人的被害が出たのは今回が初めてである。ウクライナのドローン能力もロシアに劣らない。過去4年間の戦争で圧倒的な戦力劣勢をドローンで克服し、先週の独立記念日の軍事パレードでは兵士の代わりに無人車両や無人航空機、無人水上艇が続々と披露された。ドローン専任の軍種創設も推進している。
これまで幾度も頓挫してきた自律型致死兵器規制の国際的な動きは、特定の通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の場において殺傷用AI規制について議論されてきたが、ロシアの反対により合意に至っていなかった。2024年の国連総会で「キラーロボット」の議論の場を設けるという案が採決にかけられた際、161カ国が賛成したにもかかわらず、ロシアと北朝鮮が反対票を投じた。米国、中国、インド、イスラエルなどの主要軍事大国は棄権し、韓国も留保的な立場を示した。
国連事務総長は以前から自律型致死兵器の開発規制を主張してきた。事務総長は、予防措置を講じられる時間は残りわずかであると警告した。来る11月にスイスのジュネーブで開催されるCCW会議では、自律型致死兵器規制をめぐる条約の議論が再び行われる。CCWは全会一致で意思決定を行う仕組みとなっている。既存のドローンも、簡単なソフトウェア更新だけで自律型致死兵器へと変化させることが可能だ。
