ファーウェイの攻勢に、米国はAIでの差別化を急ぐ
米国のAI業界は開発速度の調整を求めてきたが、現実は容易ではない。アンソロピックやOpenAIなど米国の主要人工知能(AI)企業の経営陣が、技術開発の速度調整を呼び掛けている。しかし、中国ファーウェイがAI半導体の投入前倒しをするなど急速に追い上げており、国家間のAI競争が激化していることから、速度調整の実現は難しいとの見方が示されている。
ファーウェイはAI半導体2種を予定より前倒しして投入すると発表した。学習用チップ「Ascend 960DT」を従来計画より9カ月早い2027年第1四半期に、推論用チップ「Ascend 960PR」を3カ月早い2027年第3四半期に投入する。2028年と2029年にはそれぞれAscend 970と980を発表するなど、毎年新たなAIチップを投入し、演算性能を前世代の2倍の水準に高める計画だ。
輸出規制によりAI半導体の輸入が阻まれている中国の顧客企業の需要が国産製品へ移行しつつある点も、ファーウェイにとって有利な条件となっている。徐直軍(シュー・ジージュン)・ファーウェイ輪番会長は、こうした市場構図の変化を肯定的に評価した。
米国政界の警戒感もそれだけ強い。ドナルド・トランプ米大統領は14日(現地時間)、ソーシャルネットワークで、AIの危険性をめぐる論争は「陰謀」にすぎず、それは中国を喜ばせることになると批判した。マイク・ジョンソン下院議長も15日、記者団に対し「AI技術開発の速度を遅らせれば中国に優位性を失うことになる」とし、「これは安全保障上の深刻な問題になり得る」と述べた。
一方、米国政府は先端半導体の輸出規制により、中国による高性能AIチップの確保を制限している。エヌビディアは、AI開発エコシステムの中核であるCUDAプラットフォームにおいて依然として強みを維持している。
