現職検事、憲裁に検察捜査権廃止法案に抗議
呉世賢(オ・セヒョン)春川地検寧越支庁検事は、検察の直接捜査権限をなくす刑事訴訟法改正に反発し、今月22日、憲法裁判所に対し国会を相手取って権限紛争審判を請求した。権限紛争審判は、国家機関間で権限の範囲や帰属をめぐる紛争が生じた際に憲法裁判所が判断する手続きである。呉検事は、憲裁の本体判決が出るまで改正刑事訴訟法の効力を一時停止してほしいとの仮処分申請も併せて行った。
事の発端は7月31日だ。共に民主党をはじめとする与党系勢力が主導した刑事訴訟法改正案が国会本会議で可決されると、呉検事はこの立法が違憲であるという趣旨の主張を行った。検察内部ネットワーク「eプロス」に投稿した文章で、検事の捜査指揮権が憲法に根拠を置く権限であるという主張を展開したと伝えられている。
呉検事の論拠は28年前の憲裁決定だ。全斗煥・盧泰愚元大統領が裁判所の追加拘束令状発付に反発して提起した事件で、憲裁は捜査段階で検事の申請を要求することは、裁判所が捜査機関の権限行使を抑制するための装置にすぎないと判断した。憲裁は当時、公判段階ではこうした抑制装置が必要ないと見ていた。呉検事はこうした憲裁の判断などを踏まえ、検事の捜査関連権限には憲法的な根拠があると主張している。
また呉検事は、立法権の限界を問題視した。公捜処を通じた捜査統制や法歪曲罪の適用など、検察権の乱用を牽制する別個の制度がすでに整備されている状況で、検察の捜査権そのものをなくすことは、国会の立法形成権が許容される範囲を超えるという論理を提示した。
憲裁は現在、権限紛争審判と効力停止仮処分申請を審理中で、具体的な宣告日程はまだ決まっていない。一方、7月31日の国会本会議を通過した改正刑事訴訟法により、検察庁は10月2日から起訴・公訴維持のみを担当する公訴庁として門を開く。
