1年間のランク1位はモネロ、88%上昇でビットコインとの差拡大

プライバシーコインのモネロがこの1年間で88%急騰し、マイナス34.5%のビットコインとの差を122.5%ポイントにまで広げた。
2026年9月16日時点の主要暗号資産の1年間リターンランキングで、モネロ(XMR)は唯一プラス圏に入った。1年前の価格は270.33ドルだったが、現在は508.15ドルに跳ね上がっている。時価総額は66億ドルで、1兆2900億ドルのビットコインと比べれば50分の1の規模であり、そうした資産が大型銘柄を圧倒する成績を収めた形だ。
下落相場で唯一の上昇、その意味とは
2位から10位までの全銘柄がマイナスだ。2位のトロン(TRX)は3.4%下落にとどまり、事実上現状を維持した。3位のニアプロトコル(NEAR)は15.1%下落した。時価総額745億ドルのバイナンスコイン(BNB)は21.5%下落した。大型資産としては低い下落率だ。
問題は5位以下だ。ビットコインは11万5508ドルから7万5658ドルへ34.5%下落し、イーサリアム(ETH)も4461ドルから2395ドルへ46.3%下落した。ほぼ半値近くまで下がっている。下位圏はさらに深い。ステラルーメン(XLM)が55.7%、ライトコイン(LTC)が56.0%、チェーンリンク(LINK)が56.1%それぞれ下落し、事実上半分以上を失った。
モネロの強さが示すもの
モネロは取引履歴と送金アドレスを隠すプライバシーコインだ。規制の影響で大手取引所への上場が減った銘柄でありながら、むしろ強い推移を見せた点が今回のランキングの核心だ。66億ドル規模の小型資産であり、流動性だけで上昇を続けることは難しい。それにもかかわらず1年間上昇基調を維持したということは、匿名性を求める実需資金が継続的に流入していた可能性を示唆している。
また、規制が強まるほど透明性を強制されるメインストリームコインと、プライバシー資産の流れが分かれる様子と読み取れる。チェーンリンクのように実際の機能を備えたインフラ型コインでさえ56%下落したことと対比すれば、この期間の価格変動は技術よりも資金の性格が相場を左右したことを物語っている。
下落幅の浅い資産が生き残る
ランキングの上位を見直すと方向性が見えてくる。トロンやバイナンスコインのように、高い時価総額と安定した手数料収益構造を持つ資産が相対的に防御力を示した。一方、インターネットコンピュータ(ICP)は49.8%下落し、時価総額12億ドルで上位圏では最も小さい。規模と収益モデルが下落相場での耐久性に直結しているという解釈が可能だ。
ただし、トロンの3.4%下落が直ちに強さを意味するわけではない。1年前の価格から大きく逸脱できなかったという意味でもある。上昇の原動力ではなく、下落への抵抗力がランキングを作ったケースである点は区別が必要だ。
モネロの独走が続くかは2つの変数にかかっている。規制当局によるプライバシーコインへの圧力が強まれば、流動性の制約が再び重荷となり、逆にオフチェーン資金の匿名需要が維持されれば希少性が価格を支える。時価総額66億ドルという小規模さは、双方のリスクをともに拡大させる要因だ。
市場全体で見れば、ビットコイン7万5658ドル、イーサリアム2395ドルという現水準で、下落相場の後半局面に入ったかどうかが焦点だ。下落過大とされるチェーンリンク、ライトコイン、ステラルーメンは反発の弾力が大きい可能性があるが、その分回復に失敗すれば追加損失につながる。唯一の上昇銘柄の存在よりも重要なのは、この格差が市場全体の回復とともに縮まるのか、それとも市場が崩壊する中でも広がるのかだ。今後の四半期の出来高と大型資産の下落幅の鈍化の有無が判断基準になると見られる。
