欧州各地でロシアによる破壊工作の疑い事件が相次ぐ
欧州各地で、NATO(北大西洋条約機構)加盟国を標的にしたロシアの破壊工作(秘密の破壊活動)とみられる事件が相次いで確認された。15日、オランダ中部・北部の鉄道線路約30カ所でパイプのような障害物が発見され列車運行が全面停止されたほか、同じ日にリトアニア上空には爆発物を搭載した無人機1機がベラルーシを経由して侵入した。この無人機は第2の都市カウナス付近でNATO所属のイタリア戦闘機によって撃墜され、リトアニア軍は落下現場を統制した(英ガーディアン、AP連合通信)。
オランダとリトアニアのほかにも、デンマーク、フランス、ドイツなどで同様の疑い事件が続いている。14日にはバルト海で、ロシア軍艦が撮影業務中だったデンマークのヘリコプターに向けて照明弾2発を発射した。デンマーク当局は直ちにウラジーミル・バルビン駐デンマーク・ロシア大使を呼び、抗議した(AP連合通信)。
11日にはフランス北西部のルーアンからカーンに向かっていた地域急行列車(TER)が脱線し、乗客44人が負傷。フランスもロシアによる破壊工作を疑っている。先月4日にはドイツのライプツィヒ・ハレ空港で爆発物搭載の無人機が発見された。ウクライナ行きの弾薬・武器やNATO軍事物流の中心地であっただけに、ドイツ政府は背景にロシアがいると主張して強く抗議し、ボンにあった駐独ロシア総領事館を閉鎖した(英ガーディアンなど)。
ウルズラ・フォンデアライエン欧州連合(EU)執行委員長は15日、最近の一連の事件は「ロシアによる広範な攻撃・挑発の一環」だと主張した。同委員長は「欧州に脅威と分裂を助長しようとする意図が見られるが、我々は動揺しない」と付け加えた。集団防衛を明記したNATO条約第5条の発動も取りざたされたが、具体的な措置は示されていない(ポリティコ・ヨーロッパ)。
