監査院による調査で大王鯨事業への介入が明らかに
監査院の監査結果によると、尹錫悦前大統領が2024年6月3日、慶北(キョンブク)浦項(ポハン)迎日湾(ヨンイルマン)沖の深層ガス田「大王鯨事業」を国民に発表する過程で、当時の大統領府による無理な介入があったことが明らかになった。監査結果によれば、尹前大統領は石油・ガスの埋蔵可能性を示す資料を得るための海中掘削調査の成功可能性が低いという産業通商資源部の懸念にもかかわらず発表を強行し、調査の日程を前倒ししようとして産業部長官を叱責したことが明らかにされた。
監査院監査の核心は、発表の背景に大統領府の介入があったという点だ。産業部は2024年5月24日、大統領府に事業を報告する際、探査の成功率が20%以内で不確実であるため対外広報を控えるべきだという見解を示した。しかし1週間後、大統領府は国民向け発表の方針を決めて産業部に通知し、産業部が不確実な資源量の代わりに面積を公表するよう提案したものの受け入れられなかった。
2024年6月2日、当時の安德根(アン・ドクグン)産業部長官の報告を受ける場で、尹前大統領は株式市場への影響を懸念した当時の成太胤(ソン・テユン)政策室長による国民向け発表の提言に対し「今日すぐに発表する」と即答したことが監査院の監査結果に記載されている。側近たちの引き止めにより1日延期されたブリーフィングで、尹前大統領は国民に分かりやすくなければならないとして「140億バレル」という資源量に直接言及した。監査院はこの数値が、すべての掘削が成功した場合の最も楽観的な数値を単純に合計したものだと判断した。監査院の金鍾東(キム・ジョンドン)公共機関監査局第3課長は「実現可能性が非常に低い」と説明した。
掘削日程の前倒し要求もあった。尹前大統領は、当初2029年までに予定されていた政府の掘削計画を任期中に前倒しするよう要求し、掘削計画は2026年までに前倒しされた。安前長官が「政務的な判断が必要だ」と述べたところ、尹前大統領は「政務的な判断は自分がするものだ」と叱責した。安前長官は、無理だと考えながらも2026年までにさらに4回の掘削を行う計画を報告したと監査院の調査で供述した。
政府は発表から約1年3カ月後の昨年、「経済性がない」として掘削の失敗を最終結論とした。監査院は、韓国石油公社が受託業者を恣意的に選定し検証なしに掘削を推進した点など、違法・不当事項7件を確認し、関係者3名への懲戒処分を要求した。ただし、産業部と大統領府に対しては、関連規定がない点などを考慮し、別途の措置は要求しなかった。
