李在明(イ・ジェミョン)大統領、捜査権完全廃止の刑事訴訟法改正案を議決
捜査権の完全廃止と司法体系の根本的再編
李在明(イ・ジェミョン)大統領が2026年8月4日、国務会議を主宰し、刑事訴訟法改正案を最終的に議決しました。これは7泊11日間にわたる米国、南米、ドイツ歴訪を終えて帰国した翌日に行われた電撃的な動きと評価されています。今回の改正案の核心は、検察の補完捜査権を全面廃止し、捜査と起訴を完全に分離することにあります。李大統領は会議で、捜査と起訴の分離が司法正常化の第一歩であることを明確にし、既存の刑事司法体系を根本的に再構築する意欲を示しました。
共に民主党の韓秉道(ハン・ビョンド)院内代表兼代表職務代行は、検事の補完捜査権廃止を検察改革の完成に向けた必須課題と規定しました。これまで検察が独占してきた捜査権限が権力濫用の原因になったという判断のもと、これを警察に移管して牽制と均衡を図るという論理です。政府は今回の法案通過を通じて、捜査過程の透明性を高め、国民の人権を保護する先進的な司法システムが構築されるものと期待しています。特に、捜査の専門性を強化するため、警察組織の改編と能力増進に力を集中する方針です。
司法体系の変化は、単に法執行の主体を変えるにとどまりません。李大統領は、警察の権限が大幅に拡大されただけに、それに相応する厳重な責任も強調しました。捜査過程で発生する不正行為や人権侵害に対しては、解任や罷免などの強力な懲戒措置をもって対応する方針を明らかにしました。これは、捜査権調整後に発生しうる公権力の誤用・濫用の懸念を事前に遮断し、司法の信頼度を回復しようとする戦略的な布石と解釈されています。
政治的攻防の加熱と拒否権不発動の背景分析
国民の力(国民の党)をはじめとする野党や検察同窓会など、法曹界の一部からは今回の刑事訴訟法改正案に対して激しい反発が出ています。国民の力は、李大統領が主宰した国務会議で改正案が通過したことについて、大統領自身の公訴棄却を狙った醜悪な取引だと批判しました。特に野党は、今回の法案が地方自治体の自治権を侵害し、政府の予算編成権を侵害する可能性があるとして、大統領の再議要求権(拒否権)行使を強く求めてきましたが、李大統領はこれを受け入れませんでした。
李大統領は帰国直後、大統領府で不動産・株式市場の安定化対策を点検する非公開会議を7時間30分にわたり主宰し、国政の最前線に立ちました。司法改革案の処理は、こうした国政掌握力強化の延長線上にあるものと見られます。
政治アナリストたちは、李大統領が拒否権を行使しなかった背景に注目しています。政権発足以来推進してきた検察改革の一貫性を維持し、支持層の要求を反映して司法正常化という国政課題を完遂しようとする正面突破の意思が反映された結果です。また、公職選挙法違反事件など、自身を巡る司法的な論争の中でも制度的改革を止めないというシグナルを送ることで、国政の推進力を維持しようとする意図と解釈されます。しかし、野党は刑事訴訟法改正案の国務会議通過が司法正義の失踪を招くとし、今後の強力な立法闘争と政治的対応を予告しており、政局の膠着は避けられない見通しです。
国政推進力の確保と民生経済安定の連関性
司法体系の再編とともに、李大統領は民生経済の懸案解決を通じた国政支持率の回復に注力しています。帰国直後に主宰した不動産・株式市場点検会議は、こうした意思を裏付けています。政府は不動産供給対策を全面的に再点検し、迅速な住宅供給のために行政、金融、財政、規制緩和など、利用可能なあらゆる手段を動員するよう指示しました。これは、最近の不動産価格上昇と伝貰難(チョンセ難:住宅保証金の問題)により、中間層の支持率に亀裂が生じているという世論調査の結果と無関係ではないと見られています。
経済専門家たちは、司法システムの急激な変化が企業経営環境と投資心理に及ぼす影響を注視しています。捜査権調整による初期の混乱が司法リスクとして作用した場合、企業の投資意欲が削がれるという懸念があるからです。これに対し、李大統領は企業活動の障害となる規制を積極的に撤廃し、AIやサプライチェーン協力など、グローバルな成果を国内経済に移転させることに集中すると明らかにしました。特に、サムスン電子やSKハイニックスなどの半導体企業との協力により確保したAI競争力を基盤に、国家競争力を高める計画です。
今後の見通しを総合すると、刑事訴訟法改正案の施行は韓国社会全般にわたる権力構造の抜本的な変化をもたらすものと予想されます。警察の捜査能力強化の成否と、検察の起訴専担体制の定着が司法改革の成否を分ける尺度となるでしょう。同時に、不動産供給対策や株式市場安定化策が目に見える成果を上げられなかった場合、司法改革に伴う政治的負担が増加する可能性があるという分析が支配的です。李在明(イ・ジェミョン)政府は、司法正常化と民生経済回復という二兎を追わねばならない重大な試練の場に立たされています。
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